AIの料金はモデルで何倍違う?GPT-6 Astra登場後の単価表

AIの料金はモデルで何倍違う?GPT-6 Astra登場後の単価表 AIコスト・ROI

こんな人・場面向けの記事です:社内でAIの利用が広がり、「結局いくらかかるのか」「なぜ請求が読めないのか」を整理したい方。上司や経理に説明する材料を用意したい場面を想定しています。

この記事で分かること

  • AIの費用は、使う量だけでなく「どのモデルを選ぶか」でほぼ決まります。OpenAIの公式価格表では、同じ会社の中でも入力の単価が0.20ドルのモデルと10.00ドルのモデルが並んでいます(いずれも100万トークンあたり)[3]
  • 2026年9月に公開された最上位モデルGPT-6 Astraは、入力10.00ドル・出力50.00ドル。ひとつ前の世代のGPT-5.6 Solは入力4.00ドル・出力20.00ドルです[3]
  • 会社で人が使う場合は、単価ではなく座席の料金が基本になります。ChatGPT Businessの標準席は年払いで月20ドル、プレミアム席は月100ドルで、利用量は標準席の5倍とされています[2]

前提:トークンと単価の関係

トークン=AIが文章を読み書きするときの、料金計算の単位です。文字数そのものではありませんが、長い文章ほどトークンも増えます。価格表は「100万トークンあたり何ドル」という形で示されます[3]

量の感覚をつかむ手がかりとして、OpenAIの機能比較表には、ChatGPT Businessの通常の応答で扱える入力の上限が「約40ページ」、Enterpriseでは「約250ページ」と書かれています[2]。長い資料を丸ごと読ませる使い方は、それだけで費用が動くということです(筆者の整理)。

請求が読みにくくなる理由は、単価が1つではないことにあります。同じモデルでも、入力・キャッシュされた入力・出力で単価が違い、扱う文脈の長さでも変わります[3]

「キャッシュされた入力」が安い理由

価格表には、通常の入力とは別に「キャッシュされた入力」の欄があります[3]。同じ内容を繰り返し送るとき、2回目以降の読み込みが安くなる仕組みです。gpt-6-astraでは入力10.00ドルに対してキャッシュされた入力は1.00ドル、gpt-5.6-lunaでは0.20ドルに対して0.02ドルと記載されています[3]

実務でこれが効くのは、毎回同じ前提を長々と貼り付ける使い方をしているときです。社内規程やマニュアルを指示文の先頭に固定して置く運用であれば、同じ部分が繰り返し送られます(筆者の整理)。社内で作った指示文の雛形が長くなっている場合、費用の面でも見直す価値があります。

モデル別の単価(公式価格表)

OpenAIが公開している標準処理・短い文脈の場合の価格です。単位は100万トークンあたりのドルです[3]

モデル 入力 キャッシュされた入力 出力
gpt-6-astra(最上位) 10.00[3] 1.00[3] 50.00[3]
gpt-5.6-sol 4.00[3] 0.40[3] 20.00[3]
gpt-5.6-terra 2.00[3] 0.20[3] 12.00[3]
gpt-5.6-luna(軽量) 0.20[3] 0.02[3] 1.20[3]

最上位と軽量モデルの差は、筆者試算:入力は10.00ドル÷0.20ドル=50倍、出力は50.00ドル÷1.20ドル=約41.7倍になります。ひとつ前の世代との比較では、筆者試算:入力は10.00ドル÷4.00ドル=2.5倍、出力は50.00ドル÷20.00ドル=2.5倍です。

費用を左右する条件は、ほかにもあります[3]

  • 文脈の長さ:長い文脈ではgpt-6-astraの入力が20.00ドル、出力が75.00ドルに上がります[3]
  • 処理の種類:バッチ処理とFlex処理では、gpt-6-astraの入力が5.00ドル、出力が25.00ドルと、標準処理より安く設定されています[3]
  • 速度優先の設定:Fastモードでは入力20.00ドル、出力100.00ドルと高くなります[3]
  • データの所在地:2026年3月5日以降に公開されたモデルのうち対象のものは、地域を指定した処理で10%の上乗せがあります[3]

急ぎでない処理をまとめて流すか、速度を優先するかで、同じ作業の費用が変わるということです(筆者の整理)。

なぜいま単価の話が要るのか

きっかけは、2026年9月の新モデルの公開です。OpenAIはGPT-6 Astraを発表し、ChatGPTのPlus、Pro、Business、Enterpriseの利用者と、OpenAI API、Microsoft Azure、AWS Bedrockで使えるようになるとしています[1]

発表では、パソコン操作を伴う作業で、同じ種類のタスクをGPT-5.6 Solより約47%短い時間でこなしたと説明されています[1]。作業が速く終わることと、単価が上がることは同時に起きます。時間あたりの単価が上がっても、必要なやり取りが減れば総額が下がる場合もあり、単価だけでは判断できません(筆者の整理)。

判断に必要なのは、単価表そのものではなく、「どの仕事にどのモデルを当てるか」の方針です。

会社で使うなら、まず座席の料金

ここまではAPI(=自社の仕組みからAIを呼び出す使い方)の単価です。社員が画面から使う場合は、座席の料金が基本になります。

プラン・座席 料金 特徴
ChatGPT Business 標準席 年払いで月20ドル、月払いで月25ドル[2] 日常業務向け[2]
ChatGPT Business プレミアム席 年払いで月100ドル、月払いで月125ドル[2] 標準席の5倍の利用量。5時間の制限なし[2]
ChatGPT Enterprise 個別見積もり[2] クレジット制と、トークン単位の課金の両方が選べる[2]

Businessでは座席の種類を組み合わせられるとされており、対象は従業員2〜200人のチームです[2]。扱える文脈の広さにも差があり、通常の応答の文脈はBusinessが54K、Enterpriseが128K、思考を伴う応答ではどちらも256Kと記載されています[2]

もう一点、社内で誤解されやすいのは「座席を買えば使い放題」という理解です。料金ページには、日常のテキストでのやり取りは無制限と記載されている一方、モデルの利用については「柔軟(Flexible)」と表記され、プレミアム席は標準席の5倍の利用量で5時間の制限がないと説明されています[2]。上限の考え方が席の種類で違うため、重い使い方をする人を把握しておく必要があります(筆者の整理)。

つまり、全員をプレミアム席にする必要はありません。長い資料を頻繁に扱う人だけを上位席にし、残りを標準席にする形が、費用の面では現実的です(筆者の整理)。

具体例:費用の方針を決める手順(筆者の整理)

以下は、公式の価格表をもとに筆者が組み立てた進め方の例です。公式の推奨手順ではありません。

  1. 業務を3つに仕分ける。(1)定型で量が多い仕事(メールの下書き、分類、要約)、(2)判断を含む仕事(企画、分析、資料づくり)、(3)例外対応の3つです
  2. (1)には軽量モデルを当てる。入力0.20ドル・出力1.20ドルのモデルがあります[3]。量が多い仕事ほど、単価差がそのまま効きます
  3. (2)に上位モデルを当てる。やり直しが減るなら、単価が高くても総額は下がりえます
  4. 急ぎでない処理はまとめる。バッチ処理やFlex処理は、標準処理より安く設定されています[3]
  5. 座席の種類を人単位で決める。長い資料を扱う人だけプレミアム席にします[2]
  6. 1か月後に実績で見直す。想定と実際の使われ方は、ほぼ必ずずれます

上申の文面は、次のような形が考えられます(筆者の例です)。

定型業務は軽量モデル、判断を伴う業務は上位モデルと使い分け、急ぎでない処理はまとめて実行する方針とします。座席は原則として標準席とし、長文資料を扱う担当者のみ上位席を割り当てて、1か月後に実績で見直します。

保存用チェックリスト:AIの費用を説明する前に

社内で共有して使える確認項目です(筆者の整理)。

  • 費用が座席の料金か、トークン単位の課金か、どちらの話かを区別したか[2]
  • 使っているモデルの名前と、その入力・出力の単価を確認したか[3]
  • 定型業務に上位モデルを使っていないかを確認したか[3]
  • 急ぎでない処理を、安い処理方式に回せないか検討したか[3]
  • 速度優先の設定が既定になっていないかを確認したか[3]
  • データの所在地の指定による上乗せが発生していないか確認したか[3]
  • 座席の種類を、利用実態に合わせて割り当てているか[2]

上司・同僚に説明する3行

  • AIの費用はモデル選択でほぼ決まる。公式価格表では、同じ会社の最上位モデルと軽量モデルで入力の単価が10.00ドルと0.20ドルと開いている[3]
  • 2026年9月に出た最上位モデルは入力10.00ドル・出力50.00ドルで、前世代の入力4.00ドル・出力20.00ドルより高い[3]
  • 社員が画面から使う分は座席料金が基本。標準席は年払いで月20ドル、プレミアム席は月100ドルなので、全員を上位席にする必要はない[2]

よくある質問

Q1. 料金は日本円でいくらですか?

本記事が参照した公式の価格表は、いずれもドル建てです[2][3]。日本円での支払額は為替レートと契約によって変わるため、本記事では換算していません。稟議に使う場合は、社内で用いている換算レートを明記してください。

Q2. 高いモデルを使うと、必ず費用が増えますか?

単価は上がります[3]。ただし総額は、やり取りの回数と入出力の量によって決まります。発表では、新しいモデルが同じ種類の作業を約47%短い時間でこなしたとされています[1]。作業あたりのやり取りが減れば総額が下がることもあり、単価だけでは判断できません(筆者の整理)。

Q3. 座席とトークン課金は、どちらを選ぶべきですか?

用途が違います。社員が画面から使うならBusinessなどの座席、自社の仕組みに組み込むならAPIのトークン課金です[2][3]。Enterpriseについては、クレジット制とトークン単位の課金の両方が用意されていると記載されています[2]

限界・未確認事項

  • 本記事は、OpenAIの発表ページ、法人向け料金ページ、API価格表の記載に基づいています。いずれも提供元が公表した情報で、第三者による検証結果ではありません。
  • 価格は変更されます。本記事は記事作成時点の掲載内容であり、契約時の条件は必ず公式ページと契約書で確認してください。
  • 単価の比較は、標準処理・短い文脈の条件で並べたものです。実際の請求は、処理の種類、文脈の長さ、キャッシュの効き方によって変わります[3]
  • 「約40ページ」「約250ページ」は、公式の機能比較表に記載された入力の上限の目安です[2]。トークン数とページ数の換算率を示すものではありません。
  • 他社のモデルの価格や、円建ての総額比較は、本記事の出典には含まれていません。

参考・出典

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