【30秒要約】今回のポイント
- 特定AIへの依存脱却:Glean(グリーン)が、OpenAIやGoogleなどのAIモデルを「自由に入れ替え可能」にする中継レイヤーを確立。
- データ漏洩の完全遮断:社内データ(Slack, Salesforce等)の権限を維持したままAIに学習・参照させる「企業専用の頭脳」が完成。
- 今すべきこと:特定のSaaS(=月額制ソフト)が提供する「高額なAIオプション」の追加契約を即時停止し、統合基盤の検討へ。
結局、何が変わるのか?(事実)
これまで企業は「ChatGPT Enterprise」や「Microsoft Copilot」など、特定のAIモデルに自社データを委ねるリスクを抱えていました。
しかし、エンタープライズAIの旗手Gleanは、モデルを「部品」として扱う抽象化レイヤー(=中継ぎ役)としての地位を固めました。
これにより、例えば「今日はGPT-4oが安いから使う」「明日は性能が良いClaude 3.5に切り替える」といったモデルの使い分けが、社員の操作感を変えずに可能になります。
本質的な価値は、単なるチャット機能ではありません。SlackやGoogleドライブにある数万件の機密データから、各社員の閲覧権限(=パーミッション)を正確に守りつつ、回答を生成する「ガバナンス(=統制)機能」にあります。
関連記事:全社データ統合AIの優先度。個別SaaSのAIオプション予算は即時凍結せよ
導入メリットとリスク(比較表)
| 比較項目 | 個別SaaSのAIオプション | Glean型(統合レイヤー) |
|---|---|---|
| コスト | 各ツールごとに月額$20〜30 | 一括管理でムダを排除 |
| データ活用 | そのツールのデータのみ | 全社ツールを横断検索 |
| AIモデル選定 | 固定(変更不可) | 最新モデルへ即時切り替え |
| セキュリティ | ベンダーの仕様に依存 | 自社の権限設定を完全反映 |
私たちの生存戦略(今すべき行動)
エグゼクティブが明日から取るべきアクションは明確です。
1. 「AIの個別契約」を承認しない
各部門から「SalesforceのAIを使いたい」「SlackのAIを導入したい」という要望が上がっても、安易に許可してはいけません。データの分断とコストの重複を招くだけです。
2. 「権限管理」ができる基盤を選ぶ
AIの性能よりも「社内のアクセス権限(=誰がどのファイルを見られるか)」を正確に読み取れるインフラを優先してください。これができていないAIは、役員の給与情報を平社員に回答する致命的なリスクとなります。
3. リテラシーの底上げを並行する
基盤が整っても、使いこなす人材がいなければROI(=投資対効果)は出ません。まずは少額から始められる外部教育を活用し、組織全体の「AIを使いこなす筋力」を鍛えておくべきです。
結論:
AIモデルそのものは、もはやコモディティ(=どこでも買える日用品)です。これからは、その下の「データと権限を管理するレイヤー」を握る企業が、圧倒的な業務効率と安全性を手にします。


コメント